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蛍光管をリサイクルして水銀の適正処理を!! ~NPOコンシューマーズ京都の取り組み~

10月16日、日曜日。後楽園遊園地の隣にある文京区民センターで『連続する清掃工場事故の検証と水銀条約』と題する講演&シンポジウムが開催されました。主催は水銀汚染検証市民委員会。

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日本では水俣病という形で深刻な健康被害を引き起こした水銀汚染。同じような事件、事故はアジア、太平洋地域を中心にいまだに繰り返されています。そこで水銀の取扱についての国際的なルールが必要ということで、今、国際水銀条約の締結に向けた動きが進んでいます。2013年に日本の水俣での条約制定を目指して現在各国が協議中。水俣条約です。

そのような動きが進むなかで、昨年11月から東京23区内の幾つかの清掃工場で自主基準値を上回る水銀が検出されるという事件が続発。足立清掃工場では3億円かけてバグフィルターを総入れ替えするという措置も講じられました。23区のごみ焼却を担当する「東京23区一部事務組合」は当初、一部の悪徳業者が水銀を大量に含んだ廃棄物を持ち込んだせいだという見解を示していましたが、同様の事故が頻発化するなかで原因究明の動きもうやむやになってしまいました。

これに対して市民の側でも問題の検証を、ということで立ち上げられたのが水銀汚染検証市民委員会です。これまでに数回のシンポジウムや勉強会を繰り返し、さまざまな専門家の知見を集積しながら、見解を整理してきました。結論として見えてきたことは、今年で3年目に入る東京23区の廃プラスチック焼却導入により①焼却炉に混入されるプラスチック製品に含まれていた水銀が徐々に焼却炉内に蓄積し、一部の清掃工場ではそれがあふれ出してきた可能性が高いこと、②従来の分別基準が曖昧になり、結果として「なんでも燃やす」という風潮が強まって、結果的に危険な廃棄物が焼却場に持ち込まれやすくなったということです。

民間のシンクタンク「環境総合研究所」による「水銀事故調査報告書」が完成したのを受け、また水銀条約締結に向けた第3回政府間交渉が今月末にケニアのナイロビで開催されるというタイミングで、水銀問題解決の方途をさぐるべく行われた講演会とシンポジウムでした。

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今回のパネリストは・・・・
・環境省環境保健部の福島健彦さん
・環境総合研究所副所長の池田こみちさん
・NPOコンシューマーズ京都の原強さん
・・・・の3名。

環境省の福島さんは水銀条約制定に向けて省内の担当部署に席を置いている人です。「水銀条約と日本のポジション」というテーマで講演されました。ナイロビ会議を直前に控えて、条約締結にむけた流れや課題などが語られました。

池田こみちさんは民間のシンクタンク「環境総合研究所」のスタッフとして水銀汚染検証市民委員会の「水銀事故調査報告書」の作成の中心を担われました。今回まとまった報告書についてのレクチャーがなされました。

京都の原強さんは、地域で蛍光管回収のシステムづくりを進めてきました。当初1割に満たなかった回収率を3割にまで高めることに成功。京都で確立されたシステムは周囲に影響を与え、今度は岡山市が同様の仕組み作りに着手したそうです。

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面白かった京都の原さん話の内容を少し紹介します。

蛍光管(使用済みの蛍光灯のことですね)の年間排出量は100万人の都市でおおよそ100トンといわれていますが、処理が厄介なごみの一つ。割れやすいしかさばるし、おまけに水銀が入っています。もちろん有害。これが管内にガス状に閉じ込められていて、割れたら大気中に放出されます。厄介です。適切な処理が求められるところですが、この回収が難しい。

この蛍光管をちゃんと処理しようというメカニズムは残念ながら京都にはなかったそうです。むしろ「なんでも燃やす」方針で(東埼玉といっしょですね)蛍光灯でも乾電池でも「燃えるごみ」として回収して焼却炉に放り込んでいたそうです。高温焼却ならそれは何でも燃えますが、じゃあ鉛や水銀が環境中に放出されていなかったのかどうかというと…はっきりいってわかりません。測定されていないからです。ごみ焼却炉からの排出ガスについて国が定めた規制項目の中に、これらの物質は含まれていませんから。焼却場から排出される水銀の測定を行っているのは自主規制をしている東京23区などのわずかな自治体だけです。

一方では水銀条約だの水俣条約だのといっていながら、これではあんまり。そこで原さん達が始めたのが蛍光管の回収ルートづくりでした。電池などの危険物も生ごみなどもそうですが、適正処理や再資源化の技術は確立していても、回収ルートが作れずにそれらの技術が生かせないという場合がほとんど。どうやって回収するのかが課題です。

やはり回収率が高いのが行政による直接回収。横浜市や広島市、仙台市などが導入している手法です。収集所に蛍光管の置き場があって、市の回収車がそれを回収して廻る。効果は抜群ですがおカネがかかります。そこまではできないという京都で、ではどうするかということで社会実験の試行錯誤がくりかえされてきたそうです。

取り組まれたのは蛍光管を家電販売店で回収する方法、公民館で拠点回収、地域のコミュニティによる回収などなど。共同購入ならぬ共同排出のシステムづくりです。軽トラックで公民館や電気屋さんをまわって蛍光管を回収。NPOではやりきれない内容のものは産廃業者と事業提携したり、社団法人をたちあげたりして取り組んでこられたとか。その結果、取り組みが始まった2005年には1割程度だった回収率が最近では3割ぐらいまでになってきたそうです。

原さんは市民の力でやるのはこれが限界で、これ以上回収率を増やしていくためには国レベルでの蛍光管回収のための枠組みづくりが必要だといいます。やはりコストはかかる。特に輸送面が大変です。空気を運んでいるようなものですから。でも回収場所で管を割ってしまったら…水銀がみんな放出されてしまいます。ガラスの回収だけならそれでもいいんですけれどもね。回収コストは一本あたり100円ぐらいだそうです。それを小売店で負担するのはちょっときついし、自治体も大変。ある程度はメーカーも負担してくれないと厳しい。拡大生産者責任をある程度適用しないと厳しいと原さんはいいます。

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「なんでも燃やす」ごみ処理政策からの脱却は簡単ではありませんが、原さんたちのような地道な努力の積み重ねがやっぱり大事なのだなと思いました。地域の努力とリンクした国レベルでの制度づくり。水銀条約を1つの契機にしてそのような流れを生みだしていきたいものです。

(武井)
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